4.2 点字編集画面での機能

点字編集画面におけるファンクションキー等の機能を順次説明します。ほとんどの機能は操作中にEscキーを押すと作業を中断して点字編集画面に戻ります。

注意:

バージョン1.03以前におけるキーと機能の関係が大幅に変更されています。これまでのバージョンではDOS版の点字編集システムにおけるキー操作を受け継ぐ方針で開発されましたが、DOS版のキー操作にこだわったことによる無理な(Windowsとしての標準的なキー操作が全く別の機能を実行するなど)操作が多くなりました。またWin-BES 99 以外のアプリケーションを使う人だけでなく、Win-BES 99 だけを使っている人でもキーを押すタイミングによっては思わぬ動作を引き起こしました。それを考慮して、できる限りWindowsの標準的な操作とWin-BES 99 独自の機能が重複しないように、また他のWindowsアプリケーションと同じ機能は操作を同じくするよう割り振りを変更しました。従来のキーとの対応表は付録に記載してありますので参照してください。

4.2.1 ヘルプ(F1/「ヘルプ」→「操作ヘルプ」)

ファンクションキー等の役割を確認したいとき、「ヘルプ」→「操作ヘルプ」でヘルプ画面が表示されます。
↑↓を押すとカーソルが移動し、右側にその機能の説明が表示されます。

ヘルプ画面
図4-2-1 ヘルプ

※機能を知りたいキーを押すとその位置にカーソルが跳びます。
※使用したい機能にカーソルを合わせて改行キーを押すとその機能を実行することができます。ただし、行削除、文節削除などいくつかの機能は点字編集画面からのみ実行可能です。

4.2.2 検索(F2/「編集」→「検索」)

指定した文字列・記号を探し出し、その位置にカーソルが移動します。
ページ行に入力されている文字列(ページ番号、欄外見出しなど)を検索する場合は、ページ行の検索(Shift+Ctrl+F5/「編集」→「ページ行の検索」)を使用します。

  1. F2/「編集」→「検索」で検索文字列を入力する画面になります。

検索文字列入力画面
図4-2-2 検索

(音)「検索語」と発声します。95Readerと発声が競合してWin-BES 99 の声が聞こえないことがあるかもしれません。Win-BES 99 の発声はCtrl+F7で聞き直すことができます(以下同じ)。カーソルは検索語入力フィールドに置かれています。
(ピ)1マス目から「検索語」、11マス目にカーソルが表示されます。

点字・記号の後に無意味なスペースを入力すると、スペースを含む文字列を検索します。そのため、検索したい文字列があるのに見つからないという結果になります。空白文字(スペース)の有無に注意して下さい。

4.2.3置換(F3/「編集」→「置換」)

指定した文字列を探し出し、別に指定した文字列に置き換えます。

  1. F3/「編集」→「置換」により置換のための検索文字列などを入力する画面になります。

置換指定画面
図4-2-3 置換

(音)「検索語」と発声します。
(ピ)1マス目から「検索語」、11マス目にカーソルが表示されます。

空白文字(スペース)と未入力位置の違いに注意し、無意味なスペースを検索文字列の後に入力しないようにします。

タブキーを押すと、検索文字列/置換文字列/置換方式の各欄を順にカーソルが移動します。
マスあけ、改行・改ページマークを含む文字列の検索/置換も可能です。
(音)一致した場所に続いて「置換しますか」と言います。95Readerによっても確認のメッセージが音声出力されます。
(ピ)「置換しますか」の表示されます。

[逐次置換の場合]

置換する場合は「はい」、置換しない場合は「いいえ」を指定します。

[一括置換の場合]

4.2.4墨訳(F4/「校正」→「墨訳」)・カナ/英語切り換え(Shift+F4)

画面上の点字を墨訳して表示します。墨訳には、日本文としてのカナモードと英文としての英語モードがあります。

  1. F4を押すと各点字行の下に対応する墨字が表示されます。
(音)「墨訳カタカナ」あるいは「墨訳英語」と発声します。

[記号類墨訳]

第1カギ _ _
第2カギ    < >
ふたえカギ 『  』
第2カッコ {  }
二重カッコ   《 》
第1指示符 ' '
第2指示符 " "
第3指示符 【 】
矢印   −−> <−− <−−>
第1つなぎ符 _
第2つなぎ符  
第1小見出し符 ...
第2小見出し符
文中注記符 *

以下は英語モードおよび外国語引用符の中での変換です。

星印 *
角カッコ      [ ]
カッコ | |

[カナ/英語切り換え]
F4で墨訳表示をする場合、文書全体が英語であったり、段落を変えて外国語引用符なしに英文を入力していると、これらの点字はすべて無意味なカナに変換されてしまいます。このとき、Shift+F4を押すと英語として墨字表示されます。
2級英語点字を使用している場合、略字・縮字はフルスペルとなり、色の変化でその使用箇所が明示されます。イタリック記号が前置されている単語は反転表示されます。
また、2級英語点字において and the with for a of の1マス略字が使われている場合、それらが連続している場合は黄色、マスあけされている場合は緑色、と墨訳表示に色の変化を付けて区別することができます。

4.2.5行間隔切り換え(F5)

画面を見やすくするため、行間隔を広くすることができます。
F5を押すと行間隔が広くなります。再度、F5を押すと元の表示に戻ります。

(音・ピ)影響ありません。

4.2.6改ページ(F6)

章の切れ目などページを改めて点訳を行うときは改ページをします。
F6を押すとカーソルの置かれていた位置に改ページマーク(P)が入り、カーソルは次ページの文書行1行目の行頭に移動します。

(音)F6を押すと「改ページ」と発声し、改ページマークが入ります。また改ページマークにカーソルが移動すると「改ページ」と発声します。Shift+Ctrl+F4により、改行・改ページマークの表示をオンに設定するとカーソル行(Ctrl+F3)、現在ページ(Ctrl+F6),文末まで(Ctrl+↓)などでの読み上げの時も「改行」「改ページ」と発声します。
(ピ)Shift+Ctrl+F4により改行・改ページマーク表示をオンにすると改ページマークはPで表示されます。

4.2.7前ページ(PageUp)・前画面(F7)

PageUpキーを押すと、現在カーソルのあるページの前のページが表示されます。カーソルは前ページの文書行1行目に置かれます。F7を押すと、現在表示されている画面の前の画面が表示されます。カーソルは新しい画面の先頭に置かれます。

4.2.8次ページ(PageDown)・次画面(F8)

PageDownキーを押すと、現在カーソルのあるページの次のページが表示されます。カーソルは次ページの文書行1行目に置かれます。F8を押すと、現在表示されている画面の次の画面が表示されます。カーソルは新しい画面の先頭に置かれます。

PageDownは必ず次のページの先頭が画面最上行に表示されるので、PageDownだけではページの下の方に見えない部分があるかもしれません。F8では現在表示されている画面の最終行を次の画面の最上行に表示しますので全ての行を見ることができます。(F7についても同様です)

4.2.9 複写(F9)

編集中の文書の指定部分をその文書内の指定位置に複写します。

  1. F9を押すと複写範囲の始点を指定する画面になります。

複写範囲指定画面
図4-2-4 複写

(音)「複写、始点を指定してください。改行で決定」と発声します。
(ピ)表示は変化しません。

(ピ)始点に指定された位置の点字がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。その場所が始点、改行、改ページの場合はそれぞれs、r、pの文字で表示されます。

(音)「終点を指定してください。改行で決定」と発声します。

(ピ)指定範囲がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。

(音)「複写先を指定してください。改行で複写」と発声します。

[編集]→[コピー]→[貼り付け]による方法

上記の方法の他に[編集]→[コピー]→[貼り付け]による方法があります。その手順は以下の通りです。

  1. 複写したい範囲をマウスのドラッグまたはShift+カーソル移動キーで指定する
  2. [編集]→[コピー]を選ぶ(あるいはCtrl+C)
  3. 複写先へカーソルを移動
  4. [編集]→[貼り付け]を選ぶ(あるいはCtrl+V)

4.2.10 移動(F10)

編集中の文書の指定部分をその文書内の指定位置に移動します。

  1. F10を押すと移動範囲の始点を指定する画面になります。

移動範囲指定画面
図4-2-5 移動
(音)「移動、始点を指定してください。改行で決定」と発声します。
(ピ)表示は変化しません。

(ピ)始点に指定された位置の点字がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。その場所が始点、改行、改ページの場合はそれぞれs、r、pの文字で表示されます。

(音)「終点を指定してください。改行で決定」と発声します。

(ピ)指定範囲がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。

(音)「移動先を指定してください。改行で移動」と発声します。

[編集]→[切り取り]→[貼り付け]による方法

上記の方法の他に[編集]→[切り取り]→[貼り付け]による方法があります。その手順は以下の通りです。

  1. 移動したい範囲をマウスのドラッグまたはShift+カーソル移動キーで指定する
  2. [編集]→[切り取り]を選ぶ(あるいはCtrl+X)。これで指定範囲が消える。
  3. 移動先へカーソルを移動
  4. [編集]→[貼り付け]を選ぶ(あるいはCtrl+V)

4.2.11 削除(F11)

編集中の文書の指定部分を削除します。

  1. F11を押すと削除範囲の始点を指定する画面になります。

削除範囲指定画面
図4-2-6 削除

(音)「移動、始点を指定してください。改行で決定」と発声します。
(ピ)表示は変化しません。

(ピ)始点に指定された位置の点字がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。

(音)「終点を指定してください。改行で決定」と発声します。

(ピ)指定範囲がブリンクまたは7・8の点とともに表示されます。

[編集]→[切り取り]による方法

上記の方法の他に[編集]→[切り取り]による方法があります。その手順は以下の通りです。

  1. 削除したい範囲をマウスのドラッグまたはShift+カーソル移動キーで指定する
  2. [編集]→[切り取り]を選ぶ(あるいはCtrl+X)。これで指定範囲が消える。削除キーでも消えますが、消した文字列を保存していないので貼り付けることができません。

4.2.12 保存(F12/「ファイル」→「上書き保存」)

編集中の文書をディスクに保存し、再び点字編集画面に戻ります。(文書が短いと一瞬の出来事ですので保存されたかどうかがわからないことがあります)。このとき「名称未設定」の場合はファイル名を指定するダイアログになります。

4.2.13 カーソル移動

カーソルを目的の位置にすばやく移動させる機能として、次のような方法があります(すでに本章で説明済みの機能も含まれています)。

Home,End 行頭、行末
Ctrl+Home,End 文頭,文末
PageUp,PageDown 前ページ、次ページ
F7,F8 前画面,次画面
Shift+F7 指定ページへ
Shift+Ctrl+H,J,K マーク位置(Ctrl+H,J,K)

以上の他に、タブ、検索(F2)、ページ行の検索(Shift+Ctrl+F6)、見出し位置・段落位置へ移動(Shift+PageDown,PageUp、およびShift+Home,End)等を利用して特定の位置にカーソルを移動させることができます。

4.2.14 タブ設定(「設定」→「タブ設定」)

タブキーの使用により、カーソルをあらかじめ設定した位置にすばやく移動させることができます。見出しを入力したり表を作成したりするときに利用すると便利です。

  1. 「設定」→「タブ設定」でタブ位置の設定画面になり、現在設定されているタブ位置が表示されます。

タブ設定画面
図4-2-7 タブ設定

(ピ)現在設定されているタブ位置がブリンクまたは7・8の点と共に表示されます。タブ位置にスペースが入力されている場合はSがブリンクします。ただし、カーソル行のタブ位置が、未入力位置となっている場合はブリンクしません。確実にタブ位置を確認・設定したい場合は、行頭から行末まで何か文字を入力してある行にカーソルを置いて操作してください。

(音)スペースキーを押してタブ位置に追加されるとそのマス番号を発声します。スペースキーによりタブを取り消した場合は何も発声しません。

一度設定すれば、次に設定変更するまで有効です。

4.2.15 タブ機能(Tab,Shift+Tab)

Tabキーを押すと、あらかじめ設定してある位置にカーソルが移動します(行末方向)。
Shift+Tabキーを押すと行頭方向に向かって設定位置にカーソルが移動します。
見出しを入力するとき、表を作成するときなどに使用すると便利です。

4.2.16 インデント(Shift+F1/「編集」→「インデント」)

引用文などの点訳で、全体に何マスか行頭を下げて点字を入力する際、インデントの設定をすると便利です。行頭にスペースを入力せずに字下げができるので、行末に不要な改行マークが入ることがありません。

  1. Shift+F1で、行頭/行末インデントを指定する画面になります。

インデント種類指定画面
図4-2-8 インデントの種類選択

インデント範囲指定画面
図4-2-9 インデントを設定する範囲の指定

インデント桁数指定画面
図4-2-10 インデントのマス数の指定

4.2.17 削除と復活

行削除(Shift+F2)・行復活(Shift+F3)

Shift+F2を押すと、現在カーソルの置かれている行が削除され、下の行が1行上に上がってきます。
Shift+F3を押すと、現在カーソルのある行に上記Shift+F2で削除した行が復活されます。カーソル行にあった文字は1行下に下がります。

文節削除(Shift+Delete)・文節復活(Shift+Insert)

Sift+Deleteを押すと、カーソル位置の文節および次の文節までのスペースが削除されます。
Shift+Insertを押すと、Shift+Deleteで削除した文節およびスペースがカーソル位置に復活されます。カーソルは復活文字列の1マス後に置かれます。
(音)復活文字列を読み上げます。

カーソル位置から行頭・行末削除(Ctrl+Backspace,Delete)

Ctrl+BackspaceまたはCtrl+Deleteを押すと、「カーソル位置から行頭まで」あるいは「カーソル位置から行末まで」の文字列が削除されます。ただし、改行・改ページマークは削除されません。削除後、行末処理により行頭・行末の文節が移動する場合があります。
Backspace,Deleteキーは軽く1度押してください。押し続けるとBackspace,Deleteキーを何度も押した状態になります。

4.2.18 ページ番号付加(Shift+F6/「ページ」→「ページ番号付加」)

現在カーソルの置かれているページから最終ページまでまとめてページ番号を付けます。

  1. ページ番号を付加したい最初のページにカーソルを置いて、Shift+F6を押すか「ページ」→「ページ番号付加」を選択します。

ページ番号付加画面
図4-2-11 ページ番号付加

4.2.19 ページジャンプ(Shift+F7/「ジャンプ」→「ページジャンプ」)

指定したページを表示し、文書行の先頭にカーソルを移動させます。

  1. Shift+F7/「ジャンプ」→「ページジャンプ」で移動先ページを指定する画面になります。表示させたいページを入力しますが、初期値として 1 が表示されています。変更したい場合は、削除・後退キーを押して数字を一旦0にした後、入力し直してください。

ページジャンプ先指定画面
図4-2-12 ページジャンプ

4.2.20 部分書き出し(Shift+F8)

編集中の文書の指定範囲をページ単位で別の文書として書き出します。

  1. Shift+F8を押すと、書き出しする範囲を指定する画面が表示されます。
  2. 1ページ以外のページから書き出したい場合は、削除・後退キーで一旦数字を 0 にした後、開始ページの数字を入力します。
  3. Tabキーを押すと、書き出し終了ページを入力する状態になります。開始ページと同様の手順で入力します。
  4. 改行キーを押すと書き出しが実行され、指定範囲の文書を新規の別文書として作成、表示します(この時点でこの文書は「名称未設定」であり保管されていません)。
書き出し元の文書は書き出し後も変化はありません。

4.2.21 文書結合(Shift+F9/「ファイル」→「文書結合」)

カーソルが置かれているページの前に、指定した文書の指定した範囲をページ単位で結合します。

  1. Shift+F9を押すと結合する(読み込む)文書の保存ファイルを指定する画面(標準ダイアログ)になります。

結合ファイル選択ダイアログ
図4-2-13 結合文書の選択

結合範囲指定ダイアログ
図4-2-14 結合する文書の確認


指定を変更する場合は、削除・後退キーで一旦数字を 0にした後、開始ページを入力し、Tabキーを押します。

(ピ)開始、終了ページのいずれも1マス目に表示されます。

4.2.22 文書分割(Shift+F10/「ファイル」→「文書分割」)

カーソルの置かれているページの前までの文書とカーソルの置かれているページ以降の文書に2分割します。
分割後は前半部分が「名称未設定」、後半部分が元の文書の名前で表示されます。
段落の切れ目などページの途中で分割したい場合は、改ページ(F6)を行ってから分割を実行します。

  1. 現在のカーソル位置を確認後、Shift+F10を押します。確認メッセージが表示されます。


(音)「現在のページから前を別の文書に分割します。よろしいですか」と95Readerが発声。
(ピ)「現在のページから前を別の文書に分割」と表示


文書分割後、保存せずに編集を終了すると、分割実行前の文書がそのまま残ります。分割前の文書をそのままにしておきたい場合は、後半部分の文書を「ファイル」→「名前をつけて保存」で重複しない名前で保存してください。

4.2.23 表示切り換え(Shift+F11/「表示」→「点字|カタカナ|ひらがな|英字」)

点字の一部を「カタカナ」「ひらがな」「英字」で表示します。
点字表記のときShift+F11を押すとカナ点字に対応する点字はカタカナで表示されます。

句点は「。」、読点は「、」、数符は「数」、数字はアラビア数字、下がり数字は漢数字となり、他の記号類は点字のまま残ります。
もう一度、Shift+F11を押すとカタカナがひらがなに変わります。
再度押すとアルファベット26文字に対応する点字が英字に変わります。
さらにもう一度押すと、再び点字表示に戻ります。

このようにShift+F11を押す度に「カタカナ」「ひらがな」「英字」「点字」が繰り返されます。どの表示状態でも点字の入力・修正ができます。「表示」メニューを使えば目的の文字種を直接指定することが出来ます。

文書情報編集画面でもこの機能を使うことができます。

※Win-BES 99 が開始された段階でどの表示をするかは、「設定」→「表示設定」での「点字表示」指定に従います。

また、メニューの「表示」もしくは「設定」で、表示される墨字のフォントを指定できます。

4.2.24 凹面/凸面表示切り換え(「表示」)

メニューから選んで切り換えます。この切り換えは一時的なもので、Win-BES 99 の中には書込まれません。
Win-BES 99 を次に起動したときには、「設定」→「表示設定」→「画面表示」で指定された表示方法で表示します。

4.2.25 編集終了(Shift+F12/「ファイル」→「閉じる」)

現在、画面に表示されている文書の編集を終了します。
Shift+F12を押すと、文書の保存確認メッセージが出ますので[はい]あるいは[いいえ]を選んでください。

未保存文書の確認画面
図4-2-15 未保存文書の確認

なお、画面に表示されている文書に全く編集を加えていない場合、Shift+F12を押すと、即座に表示中の文書が閉じられますので、上のメッセージ等はまったく表示されません。

4.2.26 次の見出し位置(Shift+PageDown),前の見出し位置(Shift+PageUp)

ここでいう「見出し位置」とは、行頭に4マス以上のマスあけがある行のことです。
「目次作成のための見出し指定」(Shift+Ctrl+F7)により指定された行とは無関係です。
Shift+PageDownを押すと、文末方向の最初の見出し位置にカーソルが移動します。繰り返しこのキーを押すと、次々見出し位置にカーソルが移動します。
Shift+PageUpを押すと、逆に文頭方向の最初の見出し位置にカーソルが移動します。

(音)いずれも移動先の場所を発声します。

4.2.27 次の段落位置(Shift+End)・前の段落位置(Shift+Home)

「段落位置」とは、行頭に1マス以上のマスあけがある行の行頭です。
Shift+Endを押すと、文末方向の最初の段落位置にカーソルが移動します。繰り返しこのキーを押すと、次々段落位置にカーソルが移動します。
Shift+Homeを押すと、逆に文頭方向の最初の段落位置にカーソルが移動します。

(音)いずれも移動先の場所を発声します。

4.2.28 入力モード切り換え(Ctrl+F11)

「設定」→「入力設定」画面で設定してある入力方式を点字編集画面で変更することができます。ただし、点字編集画面からの入力モードの変更は、現在の編集においてのみ有効で、一度ファイルを閉じると、点字編集画面で指定した入力モードは無効になります。
Ctrl+F11を押すたびに、「6点」での入力と、フルキー入力(「かな」/「FULL」/「Rかな」など)の間が交互に切り換わります。

(音)「6点入力」「フルキー入力」と発声します。
(音・ピ)Ctrl+Iで「点字」「6点」「Rかな」「英数」等で確認できます。

4.2.29 キー設定(「設定」→「入力設定」)

起動時の入力方式の設定をします。ここを変更しない限り、入力モードの変更(Ctrl+F11)で入力方式を変更しても、一度ファイルを閉じるとその方式は無効となり、ここで設定されている入力方式に戻ります。また、入力方式を6点にした場合、ここで6点入力時のキーの設定を行います。

  1. メニューから選ぶと6点入力時のキー設定画面が表示されます。

    6点入力などの設定画面
    図4-2-16 入力設定

  2. 入力方法を設定してください。
    変更を必要とする位置へカーソルを移動し、希望するキーを押して下さい。画面の表示が押されたキーに変わります。
  3. キーの設定が終了したら改行キーを押して下さい。キーが重複指定されている場合は警告音が鳴り、終了しません。

    6点方式を選択した場合、指定した6点が作動するかどうかを確認するため、6点すべてのキーを押すように求められます。指示にしたがってください。キーの指定に不具合がなければ設定が完了します。

4.2.30 反復キー

反復キーは「設定」→「入力設定」→「6点キーの設定」→「反復キー」で指定することにより使用可能となります。また、グラフィックでのカーソル移動等には使用できません。

反復キーを押すと、直前のキー操作が繰り返されます。
[使用例]

このキーは6点入力時のみに使用することができます。

4.2.31 ページ行の検索(Shift+Ctrl+F6/「編集」→「ページ行検索」)

ページ行に入力されている文字列を検索します。目次でページ番号を確認後、そのページへ飛ぶときなどに使用すると便利です。

  1. Shift+Ctrl+F6を押すと検索文字列を入力する画面になります。

ページ行検索画面
図4-2-17 ページ行の検索

(音)「検索語」と発声します。
(ピ)1マス目から「検索語」、11マス目にカーソルが表示されます。

(音)見つけた文字列の1文字目を読みます。
(ピ)検出された文字列がブリンクあるいは7.8の点とともに表示されます。←→などで通常の表示に戻ります。

4.2.32 ページ行の全体移動(Shift+Ctrl++Insert,Shift+Ctrl+Delete/「編集」→「ページ行下(上)移動」)

ページ行にカーソルを置いてShift+Ctrl+Insertを押すと、そのページ行に入力されていた内容が次ページのページ行に移動し、次ページ以降のページ行の内容がそれぞれ1ページ分ずつ文末方向にずれていきます。

カーソルが置かれているページ行は未入力状態になります。

カーソルをページ行に置いてShift+Ctrl+Deleteを押すと、そのページ行に入力されていた内容は削除され、次ページのページ行に入力されていた内容が移動してきます。次ページ以降のページ行の内容もそれぞれ1ページ分ずつ文頭方向にずれてきます。

4.2.33 目次作成のための見出し指定(Shift+Ctrl+F7/「ページ」→「見出し指定」)
     見出し指定解除(Shift+Ctrl+F8/「ページ」→「見出し指定解除」)

Win-BES 99 には、目次を自動的に作成する機能(「ページ」→「目次作成」)があります。この機能を実行する前に目次に取り出す見出し行の指定が行われていなければなりません。

  1. 見出しが入力されている行にカーソルを置きます。見出しは行単位で指定されますから、カーソルは何マス目に置いてもかまいません。
  2. Shift+Ctrl+F7を押します。
  3. 見出しとして指定された行は色付きで画面表示されます。
(音)「見出し指定しました」と発声します
(ピ)見出し行として指定された行がブリンク、または7・8の点とともに表示されます。
(音)Shift+Ctrl+F5で見出し行表示オンにするとCtrl+F3などの読み上げ時に「見出し始まり」「見出し終わり」といいます。
(ピ)Shift+Ctrl+F5で見出し行表示オンにすると見出しに指定された行はブリンクあるいは7・8の点とともに表示されます。

見出し指定解除

  1. 指定を解除したい見出し行にカーソルを移動させます。カーソルは何マス目にあってもかまいません。
  2. Shift+Ctrl+F8を押すと目次作成のための見出し表示が解除されます。
(音)「見出し解除」と発声します。

4.2.34 見出し指定行へジャンプ(Shift+Ctrl+F9,F10)

目次作成のために指定された見出し指定行へカーソルを移動させます。
Shift+Ctrl+F10(F9)キーを押す度に、現在カーソルのある位置から文末(文頭)方向の見出し指定行にカーソルが順次移動します。

4.2.35 目次作成(「ページ」→「目次作成」)

見出し指定された行とその見出し行のあるページのページ番号を抽出して、目次の原型を自動的に作成します。

  1. カーソルを目次作成位置(ページ)に移動させます。
  2. メニューから目次作成を選ぶと、確認を求めるメッセージが表示されます。

目次作成確認画面
図4-2-18 目次作成

4.2.36 標題紙作成(「ページ」→「標題紙作成」)

文書の先頭に標題紙(扉)の原型を自動作成します。

  1. 「ページ」→「標題紙作成」で標題作成の確認を求めるメッセージが表示されます。

票台紙作成確認画面
図4-2-19 標題紙作成

4.2.37 外字符オン/オフ(Shift+Ctrl+F11)

入力モード「英数」で入力を行う際、外字符を自動的に付加するか否かを指定することができます。入力方式が「英数」以外に設定されている場合、この機能は意味を持ちません。
Shift+Ctrl+F11を押す度に、オン/オフが繰り返されます。
オンのときは外字符が自動付加され、オフに設定すると外字符は前置されません。
初期値はオンです。

(音)「外字符挿入オン(オフ)」と発声します。

(音・ピ)Ctrl+Iで確認できます。

4.2.38 2級英語点字オン/オフ(Shift+Ctrl+F12)

Shift+Ctrl+F12を押すと、2級英語点字変換モードのオン/オフが交互に繰り返されます。初期値はオフです。
オンの時、英字がフルスペル(点字入力、英字入力、共に可)で入力されると、入力された文字列は一旦入力パネル上に表示され、変換キーが押されると、2級英語点字に変換されて、点字編集画面に確定表示されます。

(音)「2級英語入力オン(オフ)」と発声します。

(音・ピ)Ctrl+Iで「英語オン(あるいはオフ)」と表示されます。

4.2.39 マスあけチェック

行頭マスあけチェック(行頭奇数スペース)(Shift+Ctrl+PageDown,PageUp/「校正」→「マスあけチェック」)

  1. Shift+Ctrl+PageDown(PageUp)を押す度に、カーソル位置から文末(文頭)方向に行頭のマスあけチェックを実行します。
  2. 行頭のスペースが奇数個になっている行の行頭にカーソルが移動します。
(音)見つけた場所を発声します。

行中マスあけチェック(行中3スペース以上、句点の後以外の2スペース)(Shift+Ctrl+End,Home/「校正」→「マスあけチェック」)

  1. Shift+Ctrl+End(Home)を押す度に、カーソル位置から文末(文頭)方向にチェックを開始します。
  2. 行中および行末の3個以上のスペース、句点の後以外の2個のスペース位置にカーソルが移動します。
(音)移動した場所を発声します。

4.2.40 カーソル位置のマーク(Ctrl+H,J,K)とジャンプ(Shift+Ctrl+H,J,K)

編集中の文書に4ヵ所まで(ただしマーク4はメニューからのみ)マークを付けて、マーク位置にカーソルを即座にジャンプさせることができます。マークしたい位置にカーソルを移動させてCtrl+Hを押すと、この位置の文字がマーク1として指定されます(画面上は何の変化もありません)。同様にして、Ctrl+J,Kでマーク2、3を指定することができます。
Shift+Ctrl+H,J,Kを押すと、指定されたマーク1〜マーク3の文字にカーソルが移動します。

4.2.41 単語・短文登録(「設定」→「単語・短文登録」)

繰り返し使用される言葉は単語・短文登録しておくと簡単に間違いなく入力することができます。全ての点字(63種)に対して登録ができます。登録された文字列は、点字編集画面で登録した点字とスペースを同時に押すことにより呼び出されます。

●この機能は、両手6点入力時のみ使用可能です。

  1. 「設定」→「単語・短文登録」で単語・短文を登録する画面が表示されます。

単語・短文登録画面
図4-2-20 単語・短文登録

(音・ピ)「あ」などと発声あるいは表示されます。

単語・短文登録の活用法
よく使われる「コタコタ」や、十数マスから数十マスに及ぶ棒線・点線など、また、特殊音を含んだりマス数の多い外国の固有名詞などを登録しておくと、入力の際とても便利です。

4.2.42 点字・墨字印刷(「ファイル」)

編集中の画面を点字または墨字印刷します。

[点字印刷の場合]

点字プリンターは「設定」→「プリンター設定」画面で指定したものを、同じく「周辺機器設定」画面で指定した接続ポートにセットします。
また、「シリアルポート」画面で指定したボーレイトと点字プリンターのボーレイトが一致していなければなりません。その他のパラメーターは、パリティ:なし、データビット長:8、ストップビット:1、コード体系はNABCCに設定します。フロー制御は周辺機器設定で一致させます。

  1. 「ファイル」メニューから印刷させたい形式を選択してください。
  2. ↑↓で項目を選び、開始・終了ページ、部数を入力します。
  3. 点字プリンターの準備ができていることを確認後、印刷実行にカーソルを合わせて改行キーを押すと、印刷が開始されます。

[墨字印刷の場合]

  1. 「ファイル」メニューから印刷させたい形式を選択してください。
  2. 墨字プリンターで出力ができる形式指定は、以下の通りです。
    1. 墨点字印刷(点字のみの印刷)
      • 墨点字で印刷を行います。
      • グラフィックがある場合は、同時に印刷されます。
      • 印刷される点字のフォントは、編集画面の状態を参考に選択されます。
    2. 墨訳印刷(墨訳して印刷します)

一番最初の行を日本語で訳し始めるのか、英語で訳し始めるのかで、選択するメニューが違います。また、墨訳の元となる点字を同時に印刷することも指定できます。


目次に戻る 次の項目へ