第4章 解説編


4.1 ファイルメニュー

4.1.1 新規作成

新たに文章を書き始めるときに、この新規作成を選択します。
標準サイズ、あるいは設定されているサイズの入力画面が表示されます。
概略は、第2章ですでに説明しています。

4.1.2 既存文書の変更修正

ディスケットあるいはハードディスク内に作成した文書の続きを入力したり、修正・校正を行う際、「ファイル」→「開く」でファイルを開くダイアログボックスを表示させ、ファイルを選択して[開く]をクリックします。

ファイルを開くダイアログ画面
図4-1-1 ファイルを開く

ドライブの指定から読み込みまで

(音・ピ)全て95Readerのガイドに従ってください。

開きたいファイルが、表示されているドライブやフォルダーと異なる場所にある場合は目的のドライブを指定し、そのなかのフォルダーのリストを表示させます。
希望の文書ファイルが収められているフォルダーをダブルクリックすると、指定されているファイルの種類に一致したファイル名が表示されますので、希望のファイルをクリックするとファイル名に転記されます。確認して[開く]ボタンをクリックするとそのファイルが読み込まれます(扱えるファイルの種類については後述)。
ファイルを開く操作を中止する場合は[キャンセル]をクリックすると「ファイルを開く」ダイアログボックスが消えます。

文書サイズの変更について

Win-BES 99 の環境(用紙の設定)と読み込もうとしたファイルの用紙サイズが異なるとき、メッセージで知らせてくれます。

  1. [ファイル]か[環境]のどちらに合わせるかボタンをクリックして指示します。[キャンセル]で読み込みを中止します。[環境]とはその編集画面で設定している用紙サイズで、[設定]→[プリンター設定]で指定したものです。標準は22行32マスとなっており、ユーザーが別のサイズを指定すればそれが引き継がれます。
  2. [環境]を指定した場合、設定値に合わせて読み込まれるため読み込み文書のそれまでの体裁がくずれ、ページがずれてきますので、ページ行はすべて空白になります。
  3. 点字編集画面にサイズ変更後の文書が表示されますので、ページなどを再入力して下さい。

文書のサイズ変更

上記の処理を行うと、既存文書のサイズ(行数・マス数)変更ができます。すなわち、あらかじめ用紙の設定を希望する設定値にしておき、別サイズの文書を[環境]で読み込み保存すると、既存文書のサイズを自由に変更することができます。[ファイル]を指定した場合は、既存文書のままのサイズで文書が読み込まれて点字編集画面になります。

他データ形式ファイルの読み込みについて

Win-BES 99 で作成された文書以外のデータを、Win-BES 99 の文書として読み込むことができます。
文書選択画面でファイルの種類をリストボックスで指定することが出来ます。指定した拡張子を持つファイルが既に保管場所にあればそれらが表示されます。
読み込むファイルを指定し(クリックするとその名前がファイル名へコピーされます。直接パスも含めて入力することもできます)[開く]をクリックすればWin-BES 99 の文書として読み込まれ、点字編集画面に進みます。

扱えるファイル(拡張子)の種類

【注意】
これ以外にも点字データとして一般に流布しているファイルタイプが「ファイルの種類」にリストされておりますが、それらのタイプのファイルを読み込み、書き出し、あるいは編集する時に形が変化するなどの問題を含むことがありますので、充分校正をしてお使いください。

複数ファイルの同時オープン

複数ファイルの編集が可能です。
修正画面が表示されているときに新たに別のファイルを作ってみましょう。
「ファイル」→「新規作成」を選んでください。少しずれた位置に新たに名称未設定という画面が表示されます。あるいは[ファイル]→[開く]で別のファイルを開いてみてください。
この2つの(2つに限りません)画面を利用して一方から他方へ文章をコピーしたり、移動したり、一方を参照しながら他方を修正するなど作業ができます。
複数のファイルの表示方法はいろいろあります。「ウィンドウ」メニューの中から選んでください。左右に並べたり、上下に並べて、あるいは重ねて表示することができます。同時に扱えるファイル数は最大30に制限されています。
同じファイルを複数回開くこともできます。これを利用して一つの文書の中の異なる部分を参照しながら編集をすることができます。
この場合、最初に開いた文書に対しては変更を加えることができますが、それ以降に開いた文書は「読みとり専用」となっており、変更を加えることはできません。変更を加えない操作、例えば、その一部をほかのファイルへコピーするなどは可能です。

4.1.3 印刷

Win-BES 99 で作成した文書を点字プリンター、墨字プリンター(墨点字・墨訳・墨点字墨訳両方)に出力します。また、墨字プリンターに打ち出されるものと同一内容をテキストファイルに書き出すこともできます。

点字印刷

まず、印刷したい文書を開きます。
[読み取り専用ファイルとして開く]チェックボックスをチェックして読み込むと、誤って何かのキーを押しても編集作業は行えませんので、印刷だけを行う場合は、このオプションをおすすめします。
点字プリンターは、「設定」→「プリンター設定」画面で指定したものを、同じく「周辺機器設定」画面で指定した接続ポート(COM1、COM2...)に接続します。
グラフィック(図形)を含む文書を点字印刷する場合は、New721あるいは点図君を使用して下さい。
  1. [ファイル]→「点字印刷」を選択します。
  2. 印刷開始ページ(初期値1)を入力します。1ページ以外のページから印刷を開始したい場合は、削除・後退キーを押して数字を一旦0にした後、開始ページを入力します。
  3. ↓または改行キーを押して、終了ページ(初期値0)、部数(同1)を順次入力します。
    「終了ページ0」は「最終ページまで」を意味します。
  4. 点字プリンターの準備ができていることを確認後、「点字印刷」を押します。点字印刷が開始されます。

両面印刷について

「設定」→「プリンター設定」画面で点字プリンターとして「両面」と表示のあるものを指定すると、両面点字印刷を行うことができます。
文書の全ページを通して両面印刷する場合は、目次の1ページ目、本文の書き出し他、点字用紙の表面に印刷したい内容は、文書の奇数ページになるよう空白ページを作るなどの調整を行っておく必要があります。

  1. BPW-32による両面点字印刷は、前記(片面印刷)と同様の操作で印刷を行います。
  2. New721、TP-32による両面印刷も前記の手順で「点字印刷」まで進みますが、印刷開始前に打ち出す面を指定する画面が表示されます。

    1. 「表面」「裏面」「強制片面」は各々次のような印刷を行います。
      表面:表面(指定範囲内の奇数番目ページ)→裏面(同、偶数番目ページ)の順に印刷。(10ページ〜20ページを指定した場合、10、12、14、16、18、20ページの印刷→11、13、15、17、19ページの印刷)
      表面印刷終了時に、印刷を中止すると奇数番目ページのみの印刷となります。
      裏面:指定範囲(ページ指定は表の奇数ページで指定します)内の偶数番目ページのみを裏面の位置に印刷
    2. 打ち出す面のボタンを押すと、印刷が始まります。
    3. 表面の印刷が終了したら、用紙を切り取り、裏返しに点字プリンターにセットします。
      用紙を切り取る際、裏面の最終ページが奇数/偶数番目ページかにより、空白ページを1枚余分に付けておく必要がある場合があります。最終ページの印刷ができなくなることがないよう注意して下さい。

墨字印刷

(音・ピ)95Readerのガイドに従ってください。

点字編集画面におけるF4・墨訳と同様の墨訳および墨点字等を墨字プリンターで印刷します。
墨字印刷については、次の3種類の印刷方法が選べます。

墨点字印刷

墨訳印刷(日本語)

墨訳印刷(英語)

操作方法は以下の通りです。まず、印刷したい文書を開きます。[読み取り専用ファイルとして開く]チェックボックスをチェックして読み込むと、誤っても編集作業は行えませんので、印刷だけを行う場合は、このオプションをおすすめします。

  1. 「ファイル」メニューから希望の出力形式の墨字印刷を選びます。
  2. 用紙のサイズ、用紙の向き、余白などを設定する画面になりますので、入力してください。変更点を入力し、[OK]を押してください。
  3. 次にページ数や、部数を指定する画面になりますので、必要な項目を入力し、[OK]ボタンを押してください。印刷を開始します。

4.1.4 設定

画面上の点字表示・色、打ち出し時に使用する点字プリンター・点字用紙、入力設定などの設定を行います。一度設定するとWin-BES 99 の中に書き込まれ、変更するまで有効です。メニューから「設定」を選択して設定の変更を行います。

プリンター設定

点字、墨字ともに印刷に関係する設定をここで行います。
使用する点字プリンターの機種、用紙サイズ、行/桁数はここで設定します。
この設定に従って文書の1ページの行数、1行のマス数が決まります。
また、墨字プリンターで印刷するときに、改行・改ページマークを印刷するかどうかをここで設定します。

  1. 「設定」→「プリンター設定」を選択します。
  2. タブ(Tab)キーで各項目にカーソルが移動します。
  3. 用紙サイズ(B5,A4)と1ページの文字数・行数は点字プリンターによって固定されています。例えばNew721でB5用紙を指定すれば32マス22行に、A4を指定すれば38マス24行となります。プリンターと用紙を選んだときに自動的にマス数、行数が表示されます。
  4. すべての項目の指定が終了したら[保存終了]ボタンを押すか改行キーを押します。設定がWin-BES 99 に書き込まれます。保存しない場合は破棄終了かEscキーを押します。


周辺機器設定

「設定」→「周辺機器設定」を選択します。コンピューターに接続している機器の設定をここで指定します。点字プリンターなどの接続ポート(COM1、COM2...)および、ボーレイトの設定を行います。

  1. 接続機器とボーレイト、フロー制御を指定します。シリアルポートに接続する機器についてボーレイトとフロー制御は変更できますが、データ長、パリティー、ストップビットはそれぞれ8、なし、1に固定されています。フロー制御は各装置の指定に必ず合わせる必要があります。
  2. すべての項目の指定が終了したら改行キーを押します。設定が保存されます。(キャンセルする場合はEscキー)

表示設定

画面の色やフォントの画面表示に関する設定をここで行います。

入力設定

入力方式の選択、標準として上書・挿入のいずれのモードにする、バックアップファイルをつくるかどうか、また6点入力を行う場合のキーボードの設定をここで指定します。

「入力方式」の設定欄をクリックするか、カーソルを合わせて(反転表示になります)↑↓のキーを押すと、以下の4種類の入力方式から選択することができます。

  1. 6点:点字タイプライターと同様に6つのキーのいくつかを同時に押して点字を入力します。6点キーの設定は、ダイアログの下方で行います。
  2. かな:フルキーボードからのかなモードにより点字を入力します。記号類の点字への変換は、「付録1 テキストファイルおよびフルキー入力時の点字変換ルール」に従います。
  3. 英数:フルキーボードからの英数モードにより、点字を入力します。記号類の点字への変換は、「付録1 テキストファイルおよびフルキー入力時の点字変換ルール」にしたがいます。
  4. ローマ字かな:フルキーボードからローマ字かな入力モードにより、点字を入力します。記号類の点字への変換は、「付録 フルキー入力」の点字変換ルールにしたがいます。

(音・ピ)Ctrl+Iを押すと入力モードを確認することができます。


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